前の会社の部下と酒を飲む。とりあえずビールですかね、という言葉に思わずついて出た言葉「人生に〈とりあえず〉はない」。周囲に合わせての〈とりあえず〉は責任を曖昧にし、未来にはつながらない。そんなことを思いながら、組織で仕事をするのは、我ながら息苦しかったのだと思う。
最近はそんな〈とりあえず〉がなくなっていたのに、今度は、自分の中の常識や慣習という名の固定観念と折り合いをつける〈とりあえず〉が生まれ始める。ここ二週間、書きかけだった「子どもを置き去りにしなければならなかったシングルマザーの貧困」を描きながらも、童話なのだからということで、〈とりあえず〉子どもの視点で書いていて煮詰まっている自分がいた。そんな自分への戒めの言葉が、「人生に『とりあえず』はない」だったのかもしれない。
皆さんも〈とりあえず〉と言い聞かせて行動していたり、〈とりあえず〉年月を費やしていることはありませんか?人生はやはり、小さなことでも選択と決断の積み重ね。〈とりあえず〉は、できるだけしないほうが満足感や幸福感は高まります。
酔って帰宅してから、丸三日間、家にこもって、動物園に子どもを置き去りにしようとしてできなかった母親の物語『行かないで!~Stay with me~』を書き上げました。きっと、誰も童話とは思ってくれないかもしれません。でも、これも選択と決断の結果ですので、とても満足です。良い作品を生みだすことができました。一緒に飲んでくれた仲間に感謝。そして、本当は話を聞いてあげるべきだったのに、ほとんどできなくてごめんなさい。
さあ、今日は〈とりあえず〉はなく、今が人生でビールを飲むときだ!一人カフェで、生きていることに、作品を生み出せたことにビールで乾杯!
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