七年後への予言

 

出泉アンはアンデルセンを意味していますが、案が泉のように出ることも表しています。ようやく名前の通り、次々に作品が生まれ始めました。 

山に突然あらわれ、七年後を予言する『シチネンオババ』。

 

七年後の今日、大きなことが起こると予言されたら、あなたならどう思うか。そして、七年をどのように過ごし、大きなできごとをどう受け止め、その後をどう生きていくか。

 

オババは起ることが良いことか、悪いことか、災いか、幸いかも言わないが、人は皆その見えない力を怖れ、災いと考える。そして、そこから起こる良くないことの原因を自分ではない何かに転嫁したがる。

 

人に起こることは神さまが与えたこと。災いとするか、幸いとするかは、結局はその人間しだいであり、どんなことが起ころうとも、与えられた命を一生懸命生きていくことが大切である。そのことをシチネンオババの予言と昨今の水害とそこに立ち向かう人間をモチーフに描いた短編作品。グリム童話風に描いた誰もが楽しく読める作品となっています。

 

 七年後、もし生きていたとしたら、もう一度この作品を読み返してみたいと思う。きっと、今ここで生きていることの意味がわかるかもしれない。そして、どんな結末につながっていようとも、それが幸せだったと感じることができるようになっていたら、とても素敵なことだと思う。